パスを受ける前に周囲の状況を確認する練習

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シャビは「プレー中も、スタジアムの上から眺めるようにピッチ全体が見える」と聞いたことがありますが、本当なんでしょうか?本当なんでしょうね。
 
サッカー選手として「周りが見えない」「視野が狭い」という欠点は、「スピードがない」「パワーがない」というフィジカル的な欠点より、はるかに大きな欠点となってしまいます。
 
コンパクトなスペースで、プレースピードが早い現代サッカーでは、「見て」⇒「判断して」⇒「プレー(実行)」というサイクルを高速で休みなく回転させながらプレーしなければいけません。


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試合中に「もっと周りを見ろ」「首を振れ」とベンチから声を出しても、そのためのトレーニングを行っていなければ、ほとんど意味のないアドバイスです。
 
今回は、「パスを受ける前に見る」練習について、考えてみましょう。

 

見えてないからボールを失う

非常に分かりやすい例ですが、攻撃方向に背を向けながらパスを受けようとする時、自分の背後に相手がいるかどうかが見えていなければ、
背後の相手

簡単にマイボールを失ってしまうでしょう。
この場合、原因は技術的なものではありません。「見えていない」ことが原因です。
ボールロスト1

相手が見えていれば、「危険」「マイボールを失わないことを優先」という判断の基に、相手とボールの間に体を入れてキープするというプレーを選択することができます。

体を入れてボールをキープ

見えてないからよりよい選択肢を使えない

次は、「見えていない」ことで、ボールを失わないまでも、よりよい選択肢を使えない例です。
青1が青2にパス。青2はボールを受けた体の向きのまま、青3にパス。狭いスペースのプレッシャーをかわして、パスはつながってますが、

狭いスペースを打開

青2に、「青4がより高い位置(相手ゴールに使い位置)でフリーの状態」という情報を知っていれば(見えていれば)、よりよい選択肢を使ったはずです。

よりよい選択肢を使う

見えてはいるが、間違った判断で不利益に

次の例では攻撃側の青1が青2にパス。青1はパス&ゴーで、リターンのパスを要求しました。
しかし、それを察知した黄2はインターセプトを狙って、動き出しました。

ワンツーからのロスト

パスを受ける青2は、この黄2の動きを見てはいましたが、素直に青1にパスを返してしまいました。この状況ではマイボールを失う可能性が高いでしょう。
マイボールを失う可能性

「マイボールを失わない」ことを優先するなら、黄2の動きを見た青2は、パスを返さず、黄2が動いたことでできたスペースにボールを運ぶという判断の方がベターです。

ボールを運ぶという選択肢

「周りを見る練習」?

周りを見るために、こういう練習があってもおかしくありません。
単純なパス&ゴーで、パスをもらう前に「首を振って」「後ろを見る」という練習です。
 
あるいは、後ろの人とのジャンケンというアイディアもあるでしょう。
首を振って後ろの選手を見た時に、後ろの選手がグーを出していたら「パー」と言ってからパスを受ける、という感じです。

後ろを見る練習

しかし、これでは「首を振る」「後ろを見る」練習になってしまうかもしれません。確かに、試合中のシャビは異常なほど首を振って見てますが・・・

 
大切なことは、「首を振る」ことではなく、周囲の情報を収集して、自チームに有利な状況を作り出せるような判断をすることです。
極論を言えば、周囲の最新の情報があるのなら、周りを見る必要はありません。
 

それでは情報を収集して判断するたのめ、練習例を紹介します。少し難易度が高いかもしれません。対象はU11から。
 

5対3のポゼッション

~パスを受ける前に「見て」「判断する」~

 

  • 正方形のグリッドを4つに分割
  • 一つのグリッドは15~18m程度
  • 青5人がポゼッション
  • 黄3人がディフェンス
  • 青は数的優位を活かしてボールを保持(グリッドの中で2対1を作る)
  • ディフェンスは一つのグリッドには1人しか入れない
  • 青が一つのグリッドからボールを出す場合は、ダイレクトのパスでのみ可
  • 攻守は時間で交代
  • 一つのグリッド内で、2対1でボールをキープして開始

(注)このスペースの2対1でボールをキープできない技術レベルであれば、この練習は成り立ちません。
5対3ポゼッション

青1と青5はボールを動かしながら、周囲の状況を確認します。
グリッドから出るには、ダイレクトパスが条件なので、そのタイミングを見つけなければいけません。
 
青5はパスを受ける前に青3へのパスコースを確認。ダイレクトで青3へ。

ダイレクトパスでグリッドから出る

青5は、「ダイレクトで出せる」と判断しても、黄1が動いてパスコースを消した場合、青5は判断を変更する必要があります。(黄1が動いたことによって状況が変化。その変化に対応して判断を変える必要があります)
 
青5は青3へのダイレクトパスではなく、青1へのリターンパスを選択し、ボールキープを優先。
 
青5からのリターンパスを受けた青1はダイレクトで青4へパス。この場合も青1がパスを受ける前に青4の動きを見ていなければ、ダイレクトでは出せません。
判断の変更

ダイレクトで青4につながったものの、ディフェンス黄2が素早く寄せてボールを失った場合、ストップして質問してみましょう。
ストップして質問
「この状態を打開するには、どうすればいい?」
「・・・・」
「誰か何とか言って」
「・・・」
「青3はそこで大丈夫?」
(青3移動)
「OK,そこなら、青4からダイレクトでもらえたかもしれないね」
パスコースを作る動き

「じゃ、もし青3にパスコースを作られたら、ディフェンスはどうする?」
(黄3移動)
「いいね。パスコースが消えたね」

パスコースを消す

「この状態だと、青4はダイレクトで出せないから、一回止めるしかないけど。青チームはどうしますか?」
「・・・」
「(青1と青5に)この状態でそこに二人いる?」
(青5移動)
「もっと早くサポートして2対1を作らないと、ボール失うよ。はい再開。」
サポート

 

トレーニングのバリエーション

  • 攻守の交代を入れたい場合、3対3プラス2フリーマンに

オプション1

グリッドが4つでは、自分の背後を見なくてもプレーできてしまいます。そこで、以下のバリエーションもお試しください。

  • グリッドを6つにして、
  • 4対4プラス2フリーマンに
  • 一つのグリッド内を3対2にする

 
バリエーション

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