サッカー練習メニュー

オフサイド研修におすすめの5対3|親からコーチにお願いしてみては?

前回前々回と「お子さんの試合の観戦力を上げる」をテーマにしたところ、「オフサイド」について取り上げて欲しいとの意見がありました。

 

確かに、オフサイドのルールは独特。
プレーの経験がなければルールを覚えたとしても、なかなか理解できないかもしれません。

 

そこで、チームのコーチや監督にオフサイドの研修会を開いてもらうよう頼んでみてはいかがでしょうか?

 

  • 親子でサッカーの理解を深める
  • レフリーへの異議が減る(あるいは正当になる)

 

などのメリットがありますので、コーチにも喜んでいただけると思います。

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良い練習メニューを見分ける簡単な2つのポイント

どんな練習をすれば、サッカーが上手くなるのか。次はどういう練習をすればいいのか。
仕事(本業)中も頭を悩ます指導者も多いはず。

 

書籍で勉強したり、ネットで検索したり、高いDVDを買ったり、有給を使ってセミナーやクリニックに参加したり。皆さん、本当に努力されてますよね?

 

今回は具体的な練習メニューではなく、紹介された練習メニューが、良い練習メニューかどうか、即座に判断するポイントを紹介します。
サッカー経験のないお父さんお母さんでも、お子さんの練習を眺めながら、良い練習かどうか、見分けられるようになります。

 

「何だ。そんなことか」と聞いてがっかりされるかもしれないのですが、ポイントは、

リアリティ」と「1人当たりのボールタッチ数」です。

 

1.リアリティ

 

練習にリアリティがあるかどうか?

 

リアリティのある練習とは、ズバリ「試合」です。試合のために練習しているわけですから、当然といえば当然。
11人制なら、11人制の、8人制なら8人制の試合が最もリアリティのある練習となります。

 

反対にリアリティのない練習とは、選手が「サッカーしてる感」がない練習です。
例えばこの練習は、リアリティのない練習の代表例です。

 

リアリティのない練習

 

 

少し難しくしても、「リアリティのなさ」という点では変わりません。

 

 

リアリティのない練習例2

 

 

こうした練習が「悪い練習」だと主張するつもりはありません。ただ、選手にとって、リアリティ(サッカーしてる感)はありません。

2.1人当たりのボールタッチ数

 

1人当たりのボールタッチ数(反復回数)が十分多いか?

 

一方、リアリティのある11対11、8対8の試合の大きな欠点は、1人当たりのボールタッチ数が少なすぎるということです。
人数が多ければ多いほど、1人当たりのタッチ数が減ってしまいます。

 

リアリティがあっても、ボールに触る回数が少なすぎては「練習」にならないのです。

 

そのため、「試合」の人数を減らして、1人当たりのボールタッチ数を確保し、なおかつ、「試合」のリアリティを損なわない最適なバランスを求めなければいけません。
ただ、ヨーロッパ各国での長年の経験と研究から答えはハッキリでておりまして、最適なバランスが保たれるのは、4対4のミニゲームです。

(参照:4対4のミニゲームはサッカーそのもの

 

下図は、自称「サッカーの良い練習判別チャート」です。

 

ボールタッチ数とリアリティを軸に練習を区分けしてみてください。右上に位置するほど、「良い練習」となります。
練習メニューを検討する際には、その練習が少しでも右上に位置するよう、工夫してください。
反対の左下(リアリティがなく、ボールタッチ数が少ない)は、サッカー選手であれば、「やりたくない練習」になります。ここに区分けされる練習を行うには、相当な理由がなければ時間の無駄になってしまうでしょう。また、選手も白けてしまうでしょう。

 

 

良い練習のチャート

 

もう少し掘り下げてみましょう。

人数の違いによるボールタッチ数の比較

 

FAとFIFAが行ったU12年代のボールタッチ数の調査(Academic research carried out by FA and FIFA research department)によれば、
1分間のボールタッチ数は、

 

  • 11対11は0.6回
  • 5対5は2.73回

 

同じゲーム形式の練習ですが、ボールタッチ数に4.5倍の差があります。

 

タッチ数グラフ

 

また、別の調査(Small-Sided Games Study of young Football Player inScotland.university of Abertay Sundee;Independent Consultant Paper)では、

 

  • 4対4は11対11の3.9倍
  • 7対7の約2倍

 

のボールタッチ数があると報告されています。
このように、4,5人のミニゲームと11人制、7人制ではボールタッチ数に大きな差があります。

 

しかし、実際の練習ではもっと差が出るはずです。
少し極端ですが、実際にありそうな例でみてみましょう。
幸いにも11人制の試合ができるグランドで、30人が参加する練習の場合です。
練習時間の90分を全てゲーム形式で行ったと仮定します。

 

【11対11の場合】

 

22人がゲームに参加。(残り8人は見学またはピッチの周りを走ります)
これを平等に行うと、1人当たりの出場時間は66分になります。
11人制の1分間のボールタッチ数は0.6回なので、

 

1人当たりのボールタッチ数は39.6回(66分*0.6回)です。
(ある選手は90分の練習時間のうち、66分出場して40回ボールに触り、24分は休んだことになります)

 

 

ボールタッチ数11人

 

 

【5対5の場合】
11人制のピッチを3分割し、5対5のゲームを3か所で行います。
30人が休みなしで、同時にプレーできます。
5人制の1分間のボールタッチ数は2.73回なので

 

1人当たりのボールタッチ数は245回(90分*2.73回)です。
(ある選手は90分の練習時間のうち、90分出場して245回ボールに触ったことになります)

 

ボールタッチ数5人

 

 

40回と245回。ボールタッチ数の差が6倍になります。

 

もちろん、週末の試合に向けて、11人制(8人制)のシステムやポジションの確認を行う必要はありますが、一方でこれだけのボールタッチ数を犠牲にしていることも、覚えておかなければいけないでしょう。
特に、ボールに触れば触るほど上達する育成年代では、リアリティのあるボールタッチ数を最大にする工夫が、コーチの手腕ともいえます。

補足説明

 

「コーンドリブルは悪い練習ですか?」と質問をいただきましたので、補足させていただきます。

  • 反復回数が多くて、リアリティがないコーンドリブル
  • リアリティがあって、反復回数がない11対11のゲーム

 

これらの練習が「悪い練習」と考えている訳ではありません。
(反復回数が少なく、リアリティのない練習は悪いと思います)
ただ、上で説明しましたように、バランスが悪いことはお分かりいただけたと思います。
選手の能力、チーム事情などを考慮して、バランスが悪いことを承知しつつ、行うのであれば問題ないと思います。

 

是非お試しいただきたいのですが、ドリブルの練習をここで紹介する2対2のラインゴールに代えてみてはいかがでしょうか?
2対2はコーンドリブルよりドリブルの反復回数は減りますが、リアリティは大幅に増して、楽しめると思います。

 

追記(2016.8)

 

日本でバルサキャンプなどを主催するAmaizing Sports Lab Japanの浜田氏が「世界で通じる子供の育て方」の中で紹介されてます。

 

バルサから派遣されているテクニカルディレクターが「日本の子供たちを指導して最も苦労することは何ですか?」と質問されて「ボールが外に出た時に、自分で取りに行かなくてもいいと理解してもうこと」と答えたそうです。

 

技術的に未熟なうちは、3v1や4v2のような難易度の低いロンドでも、頻繁にミスが発生し、ボールがグリッドの外に出てしまいます。
その都度ミスした選手たちがボールを取りにいってしまうと、そのグループ全体が止まってしまいます。この球拾いの時間がもったいなく、練習の雰囲気にも悪い影響を与えてしまいます。

 

33-2

 

仮にプレイが再開するまで5秒で済んだとしても、3v1のロンドであれば、5秒で7~8回のパスがつながるはずです。
わずか5秒ですが、10分間のうち何秒無駄になるでしょうか?何回のパスが失わるでしょうか?

 

コーチがボール配給役(=球拾い)

 

ボールが外に出たら、コーチが新しいボールをすぐに配給しリスタートします。
33-3

 

 

コーチ一人で3つ以上のグリッドを担当するような場合、グリッドの周りに予備のボールを準備しておき、外に出た場合は新しいボールでリスタート。コーチは外に出たボールを回収して予備ボールとします。

 

 

33-4

 

 

ミニゲームを行う場合も同様。ゴール後ろとピッチの周りに予備ボールを準備しておきましょう。

 

 

33-5

 

 

このように、コーチがボールの配給に気を配る練習と、そうではない練習では、一人当たりのボールタッチ数に大きな差が出てしまうでしょう。

弱小高校サッカー部 Bチームコーチからの質問と回答

とある、弱小高校のBチームをコーチとして、指導してます。

モチベーションが低く、なんとかやる気にさせたいのですが、どういう方法がいいでしょうか?

監督の意向としては、考えるサッカーです。

出来たら、力になってほしいです。

 

 

8ヶ月ほど前にメールをいただきました。

対象となっているチームの情報は(高校名も含め)上記以外何もない状態で、質問に回答するのは無謀でしかありませんが、その時の回答を紹介します。

 

質問者さんからその後の連絡がないので、どのように受け止められたのかわかりません。実情に合わず、お役に立てなかったかもしれません。あるいは全く的外れだったのかもしれません・・・。

このように回答しました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

難問ですね…
そちらのチームの事情、練習時間、人数、環境など分かりませんので、お役に立てるとは思えないのですが、自分ならどうするかを考えてみました。以下、全て「自分ならこうするだろう」という一つの意見として、何らかの参考になれば幸いです。

 

 

基本的な考え方

 

「弱小高校のBチーム」ということは、高校卒業後に本格的にサッカーをする選手はまずいないと思います。「本格的」とは、Jにつながるような環境でという意味です。
ですので、選手を育てるとか考えずに、まず「サッカーすること」をメインに考えます。

 

「サッカーをすること」とは、1人当たりのボールタッチ数が最大になり、試合と同じ環境、負荷がかかるトレーニングです。

 

(こちらの記事を参照ください)
良い練習メニューを見分ける簡単な2つのポイント
4対4のミニゲームはサッカーそのもの

具体的な方法論

1.モチベーションを上げるためにボールを使わない時間をゼロにします

  • 「走り込み」「筋トレ・体幹」といった時間が多いようでしたら、これらをボールを使ったトレーニングに変えるだけでモチベーションはあがるのではないでしょうか?
  • どうしても運動量が足りない場合、ミニゲームで走るよう工夫します。
  • アップでもボールを使います。単にジョギングしているようなら、ドリブルを使ったジョギングにします。
  • 列に並んでの順番待ちがあるようなトレーニングは行いません。

2.ミニゲーム形式をトレーニングの中心とします

  • メンバーが20人なら4チーム5人に分け、リーグ戦形式のミニゲームで結果を競い合うようにします。一巡したら、下位チームに軽い罰ゲームを課し、チームを変えて次のミニゲームを行います。
  • 常にチーム編成を変えて、本気で競い合う環境(雰囲気)を作ります。
  • 参加人数、使えるスペース、ミニゴールの数が変わった場合にそなえて、たくさんのバリエーションを用意しておきます。

3.ミニゲームの中に「考える」要素を入れます

  • 例えば3v3+1フリーマンのゲームをする際、フリーマンへのパスはダイレクト限定(フリーマンのタッチ数制限ではなく)とします。
  • シュートはダイレクト限定。
  • ダイレクト→ダイレクトでの得点は2点。
  • 浮玉からのヘディングシュートは2点。
  • 両サイドにドリブル通過できるラインゴール。
  • ピッチを4分割(9分割)して、そのラインはパスで超える。あるいはドリブルで超える。あるいはコントロールオリエンタードで超える。ひざより上の浮玉で超える。
  • 数的優位を2以上にして、優位のチームは縦にドリブルできない。
  • オフサイドあり、なし
  • 全員同じ色のビブスを着て、番号の偶数・騎数でチーム分けしたミニゲーム

などなどのルールを使って考える負荷をかけると同時にサッカーを楽しみます。

4.コーチの言動

  • 時々フリーズして、質問、状況の確認、説明を行います。
  • 説教、ミーティングの時間は最小にします。
  • 技術的なミスに対しては我慢して何も言いません。
  • 怒鳴るのはディフェンスをサボった時くらいです。
  • ガチガチ音がするくらいの球際の激しさを求めます。(もし現在、ゲーム形式の練習が少ないようでしたら、当初はけが人が増えるかもしれませんが…中期的には、タフになるはずです)

 

現場を知らない者の机上の空論、極論でしょうか?

 

8ヶ月たった今、高校選手権をTVで観ながら考え直してみました。
全国大会には遠く及ばない環境でプレーする高校生が「サッカーやってよかった」と思えるサッカーとはどんなサッカーなのか。

 

高校サッカーの経験者あるいは関係者の皆さんはどう思われますか?
ご意見を聞かせていただけませんか?

ヘディングの練習|ロンド・ミニゲーム風

アメリカサッカー協会が10歳以下の子供のヘディングを禁止して話題になりましたが、10歳以下のプレーならボールが頭の高さまで浮くことは少ないので、そもそもヘディングの練習は必要ありません。(他にトレーニングすることはたくさんありますし)

 

ヘディングが必要になりはじめる年代(11歳~)向けの練習メニューを紹介します。中学・高校年代のWアップとしてもお試しください。

 

 

まず伝統的な、二人向かい合ってのヘディングの練習。
反復回数が多いので悪くはないかもしれませんが、「ヘディング」というより「頭に当てる」練習になってしまいます。

 

 

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ジュニア年代では特に、動きながらのヘディング、相手が近くにいる状態でのヘディングに対する恐怖心を克服することが重要です。そのため、動きがあって、相手がいる状態で練習します。

ロンド風のヘディング練習

 

3対3+フリーマン2のハンドパス形式のロンドです。

 

【攻撃側】

  • 数的優位をいかしてボールを保持
  • ハンドパスを受けた選手はヘディングで味方にパス
  • ヘディングのパスを受けた選手は手でキャッチ

 

【ディフェンス側】

  • 手でボールを奪えば攻守交代

 

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青1からのハンドパスを受けた青2はヘディングで味方につなぎます。

 

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青1が投げたボールを青2がヘディングで青1に返すプレーが続くと、二人向かい合ってのヘディング練習と同じになってしまいます。
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パスを受ける前に動く

 

青2は動きながらハンドパスを受けてヘディング。

 

 

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パスした後に動く

青1はハンドパスの後、動いて青2からのヘディングをキャッチ。

 

 

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3人目が関わる

青1のハンドパスを青2がヘディングで白2(フリーマン)にパス。

 

 

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より良い練習にするために

 

ヘディングの練習にも「サッカーに必要な要素」をできるだけ多く取り入れましょう。サッカーに必要な要素とは次の4つです。

 

1.ボール
2.相手(と味方)
3.ゴール(方向性)
4.適切なスペース

 

詳細はこちらを参考にしてください。

「4対4のミニゲームはサッカーそのもの」はTiki-Takaスタイルの中でも最も高い評価をいただいております。是非ご覧ください。

ゴールを目指す

 

先のヘディングの練習に足りないものは何でしょうか?

「ボール」、「相手と味方」、「スペース」はあります。「ゴール」が足りないので追加してみます。

ボールを保持するチームはフリーマンを加えた数的優位をいかしながら、ゴールを目指します。ゴールラインをヘディングシュートで超えれば得点です。

青3からのハンドパス(センタリング)を青2が走り込んできてヘディング、ゴール。

 

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ゲームを盛り上げる工夫

 

ゲームを盛り上げるちょっとした工夫はどのトレーニングにも必要です。この場合、以下のルールを追加してみてください。

 

  • バスケットルールのドリブルを可にする
  • ハンドパス⇒ヘディング⇒ヘディングでつないだ場合、1点
  • ジャンプしながらのヘディングシュートが決まれば2点
  • ダイビングヘッドでのシュートが決まれば3点

注意していただきたいこと

 

  • ディフェンス側が手で相手ボールを奪う場合、ひじが頭・顔に当たらないように(ディフェンスは強引にボールを奪いにいかない)
  • ディフェンス側が相手ボールを手ではなく「ヘディング」で奪うことも考えられますが、特に小学生では頭と頭がぶつかる可能性が高くなります
  • 1人当たりのヘディングの回数が多くなるよう、人数は柔軟に対応してください。3対3+フリーマン1、2対2+フリーマン2、2対2+フリーマン1などでも可

縦パスを入れる練習

相手(黄)が引いて守備ブロックを作っている場合の攻撃について考えてみましょう。どちらが良い攻撃でしょうか?
縦パス1
 
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4対4のミニゲームはサッカーそのもの|練習メニューの中心に

ヨーロッパの育成現場では、「サッカーに必要な要素を、練習から取り除かないようにする」という、オランダ発のコンセプトが主流です。「サッカーでサッカーを学ぶ」ともいいます。
「サッカーに必要な要素」とは次の4つです。
 
1.ボール
2.相手(と味方)
3.ゴール(方向性)
4.適切なスペース
 

一つ一つイメージしていただければ、すぐお分かりいただけます。これら4つのうち、一つでも欠けるとサッカーではなくなります。
 
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