「運動神経悪いから・・・」は親の勘違い

運動能力なんて子供の人生にとってそれほど大事ではない。でも、正直、運動できた方が嬉しい・・・

周りの子と比べて、わが子の運動神経の悪さを嘆き、「親に似たから仕方ない」と自嘲気味に話す方は少なくありません。

「それなら」と張り切ってお子さんと一緒にトレーニングに取り組むも、3日坊主で終わってしまう方も多いハズ。

運動能力、身体能力、体力など。まとめて「運動神経がいい(悪い)」と言われますが、そもそも「運動神経」という神経はありません。

運動が苦手なお子さんは、運動神経が悪いのではなく、ただ「運動経験が少ない」だけなのです。

解決法はシンプル。運動経験を増やしましょう。

運動神経が悪い子供

学校体育ではまったく鍛えられない、最も重要な「2つの力」

しかし、ただやみくもに運動やスポーツの経験をつめば「運動が得意」になるということはありません。

小さい頃からスポーツをさせることがいいことのように思われがちですが、いきなりスポーツをさせたところで、運動能力の向上に非常に重要な「ある2つの力」を鍛えることは難しいのです。

その、お子さんが本格的にスポーツを始める前にぜひ身につけておきたい「ある2つの力」とは何でしょうか?

それは、『体幹とバランス能力』です。

体幹とバランス能力

つまり、体の中心軸である体幹とバランス能力をはじめに鍛えておかないと、スポーツの技術を身につけようと練習に励んでも、その努力が無駄になる可能性もあります。

反対に、お子さんが本格的にスポーツを習う前にこの2つの力を鍛えておけば、その後どんなスポーツを始めようとも、その技術の習得が非常にうまくできるようになります。

そして残念なことに、小学校の体育のカリキュラムではこの2つの能力が十分に鍛えられるものになっていないというのが実情です。

昔はわざわざ学校でやらなくても、外遊びの中で体幹やバランス能力は自然と鍛えられたのですが、いまやそれも難しいところがありますから、この2つの能力を鍛える機会は意識的につくっていく必要があります。

バランス能力は9歳までに鍛えるのがカギ

特にバランス能力は大人になってからではなかなか身につきません。

運動能力の基礎が最も発達するとされる3歳から9歳の「プレ・ゴールデンエイジ」にバランス能力を強化することが、運動能力をグングン伸ばすことにつながります。

ゴールデンエイジとは、子供の身体能力、運動能力が著しく発達する時期のこと。

体の動かし方、動作、技術を短時間で覚えることができる、一生に一度だけの貴重な年代がゴールデンエイジです。

もちろん、この年代のお子さんが「ゴールデンエイジ」を意識してトレーニングしようとは考えませんから、親の関りが大切になります。

バランスボードに乗るサッカー少年

新しい「遊び」をさせることで子供のバランス力は勝手に身に着く

しかし親の期待にはなかなか応えてくれないのが子供。「体幹・バランス」をトレーニングさせようと思っても無駄です。よほどモチベーションが高くないと続きません。

親としてできることは「環境」を整えることしかありません。トレーニングを意識せず、遊び感覚で自然に体幹・バランス能力が高まるよう、仕向けることです。

簡単で効率的な方法は、遊び道具を上手に使うことです。

バランスボードpro

運動以外にも嬉しい効果あり

こういった遊び道具もうまく取り入れながらお子さんの体幹とバランス能力を鍛えることで、運動が苦手なお子さんでも苦手意識が自然となくなっていきます。

また運動能力だけでなく、姿勢がよくなったり、集中力や学習意欲の向上にもつながりますので、ぜひ積極的に取り入れていただきたいと思います。

お子さんは放っておけばゲームばかりしてしまいがちな現代の環境ですが、お子さんが喜んで遊んでしまうような道具で、かつ自然と体幹やバランス能力が鍛えられるような、そんな一石二鳥の遊び道具がありますので、年代別に厳選してご紹介します。

3歳~6歳におすすめの体幹バランス・遊び道具

バランスボードKIDS

バランスボードキッズ

ボードと地面の接地面積が広めなため、難易度が低いバランスボードKIDS
乗れるようになったら。二人で向かいあってキャッチボールやじゃんけんなどして、楽しめます。

バランスストーン

バランスストーン

昔の外遊び(石飛び)をイメージした遊び。バランスストーン。大きさや傾斜が異なるストーンからストーンに飛び乗ります。家の中でも、庭、ちょっとした空き地でも。軽量でコンパクトに収納できます。

バランス・エイト

バランス8

バランス8は家でできる平均台。カラフルなブロックをつなげて8の字に。後ろ向きに歩いたり、目をつぶってみたり。小さなお子さんが集まるキッズスペースにも人気。

5歳~12歳におすすめの体幹バランス・遊び道具

バランスボード

バランスボード

バランストレーニング定番、木製バランスボード。一見簡単そうに見えますが、なかなか10秒は乗れません。オフィスに置いてストレス解消という使い方も。

バランスパッド

バランスパッド

若干、不安定なバランスパッドの上で、さまざまなポーズを取り、負荷を高めます。イラスト図解のトレーニングマニュアル付き。本格的スポーツに取り組むお子さんの自主トレにおすすめ。地味でも効果大。

バランスボードPRO

バランスボードプロ

スケボーやサーフィンのオフ・トレーニングとしても人気のバランスボードPRO
楽しみながら、体幹がガッツリ鍛えられます。ローラーが飛び出さない安全設計なので、家の中でも安心。ただし、転倒にはくれぐれも要注意で。

2,480 

幼児期から低学年の体幹バランストレーニングに。遊びながら子供の運動能力が高まる

7,610 

小さいお子さん向け遊具。屋内・屋外で遊びながら運動能力を高めるバランスストーン。

13,000 

幼児のバランス感覚を養う平均台遊び。バランス8(エイト)は、8の字型でカラフルな平均台。

2,300 

手軽にバランス感覚を養う木製バランスボード。簡単そうに見えて意外に難しい!仕事と勉強のリフレッシュにも。数量割引き

3,130 

体幹バランストレーニングにバランスパッド。

9,260 

バランスボードPRO。難易度の高いバランストレーニング。バランスを取って体幹と下半身を鍛える

バランスおまけ情報
子供向け3+3週間プログラム

このプログラムは、例えばサッカーのクラブチームに所属する選手に、コーチがトレーニング方法だけ紹介し、後は自宅でできるトレーニングをイメージして作成しました。

トレーニングの目的はバランス能力の向上、体幹強化ですが、合計6週間のプログラム終了後に、選手が自宅で自主的に取り組む習慣が身につくことを期待しています。

トレーニングメニューは、鍼灸接骨院経営をしながらトレーナー活動をされている高橋さんに作成していただきました。

JFL所属サッカーチームやビーチサッカー日本代表パーソナルトレーナーを経験。現在は女子中学サッカー部、大学フェンシング部にトレーナーとして所属。地域親子サッカー教室やサッカー少年団での指導経験が豊富な方です。

子供向け体幹トレーニングは1日4種目

  • プログラムは1週間を1クールとし、3クール(3週間)で行います
  • 1日4種目、同じメニューを6日間行います(週1回は休み)
  • 3週間分、計12種類のトレーニングメニューとなります
  • その後、1クールに戻り、同じ種目を、足元を不安定な状態にして行い、合計6週間。となります

【第1週-1】背伸び

上に向かって大きく手を伸ばし、できるだけ高く背伸びしたままキープ。

  • 手と頭を出来るだけ高い位置でキープする
  • 手や肩が前の方にずれないように気をつける
  • 力まず、シュッと伸びるように

(15-20秒×3セット)

子供の体幹バランストレーニング(背伸び)

【第1週-2】バランスツイスト

片方のひざと反対側のひじを体の前でタッチさせる。左右を入れ替えて交互に。

  • ゆっくり丁寧に
  • 背中が丸まり過ぎないように気をつける
  • こしで曲げずに股関節(こかんせつ)を曲げる
  • 支えてる方のひざはできるだけ曲げないように

(10-15回×左右3セット)

子供の体幹バランストレーニング(バランスツイスト)

【第1週-3】片あしくるぶしタッチ

片足でバランスを取って、立っている方の外側のくるぶしを反対の手でタッチ。

  • ゆっくりと丁寧に行う
  • 背中が丸まり過ぎないように気をつける
  • 支えてる方のひざがつま先より前に出ないように曲げる

(10-15回×左右2セット)

子供の体幹バランストレーニング(片足くるぶしタッチ)

【第1週-4】足踏み

その場で素早く足踏み。

  • かかとが一直線にお尻に向かって上がってくるようにひざを曲げる
  • 太ももを持ち上げるイメージではない
  • ひざは自然と持ち上がるイメージ
  • できるだけ素早く行う

(15-20秒×3セット)

子供の体幹バランストレーニング(足踏み)
自分の体の感覚を感じてもらった上で、自分の体を動かすといったことを意識しないといけないので、1クール目と2クール目の1種目目は負荷としては軽く、自分の意識に集中できるものに設定しています。

背伸び、足踏みというとメニューをこなすだけでは簡単で難易度も低いですが、背伸びをしたときの自分の体の感覚、荷重がどこにかかっているのか?本当に一番伸ばせているのか?などを意識しながら行うことを目的にしているので、本気でやってもらうと簡単ではありません。

足踏みも、どこの筋肉を使って足踏みをしているのか?上半身をぶらさずに早く動かすにはどうすれば良いのか?などを調整しながら行うことで、常に自分を追い込むことができます。

【第2週-1】片足T 字バランス

両手を大きく広げて片足でバランスを取ります。

  • ひざと股関節の角度は90度
  • 背筋はしっかりと伸ばす
  • 手を地面と水平になるように指先までしっかりと伸ばす

(20-30秒×左右2セット)

子供の体幹バランストレーニング(片足T字バランス)

【第2週-2】股関節まわし

片足立ちで、浮かせた方の股関節を外回り・内回りで一往復させる。

  • 上半身が動かないように注意
  • 股関節だけで回し、こしが動かないように
  • できるだけ大きく回す
  • (10回×左右2セット)

    子供の体幹バランストレーニング(股関節まわし)

    【第2週-3】オーバーヘッドスクワット

    お尻を後ろに突き出すように両手を上げてスクワット

    • ひざがつま先よりも前に出ないように
    • お尻を後ろに突き出すように
    • 手と体は真っすぐ
    • 姿勢を保ちながら下げられるところまでこしを落とす
    • (15-20回×3セット)

      子供の体幹バランストレーニング(オーバーヘッドスクワット)

      【第2週-4】振り子

      片足で立って、浮かせた方の足を大きく前後に振ります。

      • できるだけ力を抜いて、足を振る
      • 後ろに引くときにちょっと力を入れて、前に振るときは力を抜く
      • 上半身はブレないように
      • うでも大きく振って、体全体を使ってあしを振る

      (15-20秒×左右2セット)

      子供の体幹バランストレーニング(振り子)

      【第3週-1】エアプレーン

      片足T 字バランスの姿勢から、頭から足まで一直線になるよに体を前に倒します。

      • 両手、体、伸ばした脚が地面と水平になっているか、姿勢をチェックしてもらう

      (15-20秒×左右2セット)

      子供の体幹バランストレーニング(エアプレーン)

      【第3週-2】ボトムタッチ

      片足立ちで、上半身をひねり、両手で反対側の股関節の外側を同時にタッチします。

      • バランスを崩さないようにこしから上でひねる
      • 背筋が伸びるようにして、猫背にならないように

      (10-15回×左右2セット)

      子供の体幹バランストレーニング(ボトムタッチ)

      【第3週-3】ワンレッグランニング

      片足立ちで走るように、浮かせた足を前後に動かします。

      • 支えてる足のひざがつま先よりも前に出ないように(ひざを曲げ過ぎない)
      • スムーズに、素早く動くように意識
      • 背筋は伸ばしたまま、猫背にならないように
      • 体ごと動かさず、股関節(こかんせつ)をしっかりと動かす

      (10-15回×左右2セット)

      子供の体幹バランストレーニング(ワンレッグランニング)

      【第3週-4】振り子(横)

      片足で立って、浮かせた方の足を大きく左右に振る

      • できるだけ力を抜いて
      • 上半身がブレないように意識
      • おなかの横の筋肉も使って足を振る

      (15-20秒×左右2セット)

      子供の体幹バランストレーニング(振り子横)

      4~6週間は足元を不安定な状態でトレーニングします

      3週間終了後は、最初に戻り同じメニューで行います。同じメニューをバランスパッドの上で行うので、1回目よりも負荷が高くなります。

      バランスパッドがおすすめですが、座布団を2枚重ねた上で行っても同様の効果が得られます。

      子供向け体幹トレーニングプログラムは無料でダウンロードできます

      上記のトレーニングプログラムをA4サイズ2枚にまとめました。是非、ダウンロード&プリントしてお使いください。

      無料ダウンロード

      バランス補足情報
      運動ピラミッドとは

      体幹バランスは運動ピラミッドの土台

      運動には、大きく分けると3つの段階があります。下から順に「基礎的運動」「コーディネーション運動」「スポーツ競技」とピラミッド型の図になります。

      運動ピラミッド

      基礎的運動とは

      基礎的運動とは立つ、寝る、回る、転がるなど姿勢を制御する運動。また、歩く、走る、跳ぶなど移動運動のこと。

      「体幹」と「バランス」は基礎的運動の重要な要素で、次の段階のコーディネーション運動、スポーツ競技でも非常に大きな役割を果たします。

      コーディネーション運動とは

      コーディネーション運動とは脳と体の連携を伴った運動のこと。投げる、キャッチする、蹴るなどの動作から、走りながら状況を判断して次の動作を移行するなど。

      コーディネーション能力が高い子供は「運動神経がいい」と言われます。

      スポーツ競技

      各スポーツ特有の身体の動き、テクニックと戦術判断など。専門的なトレーニングが必要になります。

      バランス補足情報
      体幹バランストレーニングの3大効果

      体幹バランストレーニングによって、「運動能力が高まる」「姿勢が良くなる」「自己抑制・学習意欲が高まる」といった(親としてはとても嬉しい)効果があります。詳しくみてみましょう。

      運動能力が高まる

      まず注意していただきたい点は、体幹バランストレーニングは負荷を反復する筋トレとは違うという点。

      一定の姿勢を維持することで、筋肉強化ではなく、筋肉の使い方を身に付けます。 なぜなら、後に筋肉が発達してきても、その筋肉を効率よく使えないと意味がないからです。

      筋肉を上手に使えるようになるためには、バランス能力の向上が欠かせません。そして、バランス能力の向上は、ゴールデンエイジ(神経系が発達する時期)と呼ばれる小学生の時期が最適です。

      姿勢が良くなる

      立つ、歩く、座る、寝るといった姿勢は、重力に対して一定の姿勢を維持しようとする身体全体のバランスによって支えられています。

      授業中の姿勢が悪かったり、落ち着きがない子供は、椅子に座った状態の自分の身体を支えられないのです。

      体幹には体を支え、維持する働きがあります。そのため、体幹を鍛えることで、姿勢が良くなり、日常生活の立ち居振る舞いがキレイになります。

      自己抑制・学習意欲が高まる

      東京都と早稲田大学が共同で「子供の体幹を鍛える研究」を行いました。

      体幹を鍛えるための運動を実施したところ、姿勢が良くなった子供が増加したとのこと。さらに、「姿勢の良い子供には自己抑制力の高さ、学習に積極的な傾向があった」と報告しています。(2013年)