運動不足を痛感している方。筋肉の衰えを感じる中高年の方。
ジョギングしたり、ジムへ行くのが億劫な方から、パフォーマンスを上げたいアスリートの方にも。体幹トレーニングをおすすめします。
体幹トレーニングの効果的なやり方、基礎的な知識を紹介します。心も体もシャキッとすればいいですね。
一見、ポーズをとっているだけに見えるので、地味な印象が強い体幹トレーニング。それでも根強いブームの秘密は、手軽にトレーニングできて、大きなメリットがあるためです。
体幹トレーニングはインナーマッスルを刺激するので、体の中から引き締まったように感じます。実際、ポッコリお腹に効果的です。
1日10分とわずかなトレーニングですが、ポジティブな行動を継続することで、自己肯定感が高まり、スッキリした気分になります。
体幹トレーニングが終わったら、フォームローラーでのストレッチもいいですよ。
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首から肩甲骨、背中全体のストレッチに。体がとろけるような感覚がクセになる。体幹トレーニングにも使えて重宝します。
良い習慣を身に付けるには一定期間の継続が必要です。
強い意思を持ってトレーニングに取り組める方はいいですが、そうではない大半の方には、「スキマ時間」の「ながら」トレーニングが継続するためのポイントです。
おすすめは朝のスキマ時間。私の場合、ニュースを見ながらの10分程度、以下で紹介する体幹トレーニングをします。始めてから3週間くらいで効果を実感できるようになりました。「今日もやった」と気分良くで出勤でき、もちろんお腹周りも締まりましたw
早速、具体的な体幹トレーニングの方法を紹介します。是非チャレンジしてみてください。
体幹トレーニングに初めてチャレンジされる方は、これだけで十分というメニュー(プログラム)です。2つのセッションがあり、1日毎に交互に行ってください。
1回10分、週6回(各セッション3回づつ)行いましょう。
週1回の休みは曜日を決めず、休みたい時に休みましょう。なぜなら、どうしても気が向かない時にサボってしまうと、自己嫌悪に陥って、続かなくなってしまうからです。ですので、サボってしまった時に週1回の休む権利を行使しましょうw
腕と両足の4点で体を支え、背中が真っすぐなるようにします。この姿勢をまず20秒キープから始めます。毎回、最低20秒として少しづつ伸ばし、できるだけ長くキープします。
徐々に時間を伸ばしていくやり方と効果についてはプランクチャレンジをご覧ください
ひじから下のうでと、足の外側で姿勢をキープします。ひじは肩の真下に。目線は前に。
両肩と両かかとの4点で体を支持。ひざは90度になるように。
ここまでがセッション1。
プランク、サイドブリッジ、バックブリッジでお腹周りをグルっと鍛えます。
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毎日同じメニューを繰り返すと、飽きます。それにメニューを「こなす」ようになってしまいますので、「セッション1」と「セッション2」を日替わりで行いましょう。
最初のプランクは、セッション1と同じにして、徐々に姿勢をキープできる時間を伸ばしていきましょう。
スクワットは「体幹」というより「筋トレ」の部類です。初級メニューの対象となる方は、おそらく運動不足の方。運動不足は下半身の筋力低下に直結します。そこで、隔日でスクワットも行います。
ひざが足先より前に出ないように、お尻を突き出すように意識してください。
腕立てもどちらかというと「筋トレ」ですが、うで、胸だけでなく、腹筋(インナーマッスル)も使います。回数を増やそうとせず、正しい姿勢を取りましょう。
キツくなりすぎるとトレーニングが継続できません。最初はひざを着いた状態の腕立てから始めましょう。
初級から中級レベルへ行く前に、体幹トレーニングの難易度(レベル)を調整する方法を紹介します。この方法を知っていると、アスリート向けの、競技特性に考慮した応用トレーニングも自分で作れるようになります。
筋トレであれば、「重くする」「回数を増やす」という方向でレベルを上げていきますが、体幹トレーニングの場合、「接地面積を小さくする」「接地面を不安定にする」の2種類があります。
接地面積とは身体と床が接する面積のことです。これが小さくなるほど、難しくなります。例えばこの姿勢、何でもないですよね。両手、両ひざ、両足の6点で体を支えています。
徐々に接地面積を小さくして、トレーニングのレベルを上げていきます。片手を上げると、支点が1つ減ります。
片足を上げると、ひざと足先の支点が2つ減ります。
片手、片足を上げてバランスを取ると、支点が3つ少なくなります。これでインナーマッスルがプルプルしてきます。
接地面を不安定にするには、バランスボードやバランスパッド、ボディバランスドームを有効に使います。
体幹トレーニングで道具を使うならイチオシ
ボディバランスドームを使って後で紹介するトレーニングメニュー(姿勢)をこなせば効果大。インナーマッスルがプルプル。
バックブリッジの例で見てみます。
バランスボードを倒して床に着かないようにすると、一気にツラい体勢になります。
ここから中級編として、初級編と同じメニューを「ボディバランスドーム」を使って行うプログラムを紹介します。
たくさんある体幹トレグッズからボディバランスドームを選んだ理由は、汎用性(いろいろな態勢で使える)があり、幅広く難易度の調整ができるからです。
初級編と同じように2つのセッションに分けて、日替わりで行ってください。
プランクの姿勢で20秒キープします。
簡単にできるようなら、片足を上げ、15-20秒姿勢をキープします。
ボディバランスドームの上でサイドブリッジの姿勢を8~15秒キープします。
簡単にできるようなら、片足を上げて支持面を少なくします。
ボディバランスドームの上に足を乗せてバックブリッジを行います。8-15秒キープ。
簡単にできるようなら、片足を上げます。このとき、体と上げた足が真っすぐなるように意識します。
平面でのスクワットは回数を増やして100回でも200回でも行いところですが、時間ばっかりかかってしまい、またキツくなると継続できなくなるかもしれません。
そのため、非常に不安定なボディバランスドームの上で、正しいフォームを意識してスクワットしましょう。
腕立ても回数を増やさず、不安定な上で行い、インナーマッスルに刺激を送ります。
最初はひざ立ての状態から。物足りなくなったら足を伸ばして行います。
トレーニングメニューの紹介は以上です。体幹トレーニングに関する知識を仕入れておくと、トレーニングの効果が高まります。ご興味ある記事がありましたら、ご覧ください。
インナーマッスルについての基礎知識とトレーニングメニュー。体幹トレーニングに関する用語の整理。筋肉名称など。
>>>インナーマッスルの鍛え方
東京都と早稲田大学が共同で、正しい姿勢のもたらす教育効果の検証に向けて「子供の体幹を鍛える研究」を行いました。(2012-13年度)
その報告書によると、姿勢の良い児童・生徒には自己抑制力の高さや学習に積極的な傾向がありました。また、体幹を鍛えるために授業前後のあいさつや始業前の遊戯などを実践したところ、良い姿勢の児童・生徒が増加したとのこと。
(出典:子供の体幹を鍛える研究~正しい姿勢のもたらす教育的効果の検証~東京都教職員研修センター・早稲田大学,2014)
しかし、まだ成長期の子供には、大人と同じ体幹トレーニングではなく、バランスを中心としたトレーニングがおすすめです。
体幹トレーニングは、もともと理学療法士が腰痛患者を対象に行っていたもの。筋トレでは届かない深い位置の筋肉を鍛えて、体幹を安定させることで、痛みをやわらげるアプローチです。
(参考)金岡恒治「一生痛まない腰をつくる」(高橋書店)
お腹を凹ます体幹といえば、ドローイン。体幹トレーニングの基本中の基本。感覚を掴めば、立ったまま、座ったままでもできるエクササイズです。つまり電車の中でもデスクに座ったままでもできる体幹トレーニングです。
ただし、最初に正しいやり方をしっかりマスターしてください。
>>>ドローインの正しいやり方と効果
「体幹トレーニングでダイエット」的な記事が多数ありますが・・・
体幹トレーニングでダイエットはなかなか大変かも。詳しい理由はこちら。
>>>体幹トレーニングとダイエットの遠い関係
運動不足は嫌というほど実感している。けど、ジムには行きたくないし、時間もお金もない。ジョギングは続かないだろうし、本音では散歩もしたくない!
それなら、体幹トレーニングで筋力の低下を防ぐのはどうでしょうか?1日10分程度。気づいた時にどうぞ。
>>>中高年の筋力低下を防ぐ体幹トレーニング
体幹トレーニングで人生を変える?そんな大げさな・・・
確かに大げさかもしれませんが、小さいな目標を立ててクリアしていくことが、大きな成功につながる可能性は十分にあります。
30日間プランクを継続すれば、少なくともお腹周りは十分引き締まっているはずです。
>>>30日間プランクチャレンジの成功で人生が変わる
体幹トレーニングは子供の姿勢矯正にも効果的。「矯正」というとあまりイメージが良くありませんが、姿勢が良くなることでメリットはあっても、デメリットはありません。素直に言うことを聞いてくれるうちに、親子で体幹トレーニングに取り組んではいかがでしょうか?
>>>子供の姿勢矯正は「ながら」矯正と体幹トレーニングが有効
座ってデスクワークするだけでも体幹が鍛えられる、バランスボール。ちょっと大きくて邪魔になってしまいますが、いろいろなトレーニングができます。
バランスボールを十分活用できていない方に、18種類のメニューを紹介します。
>>>バランスボールを使った体幹トレーニングメニュー
バランスボールの大きな欠点は「大きい」ということ。使わない時、邪魔なんですよね。その点、チューブはいいです。文庫本より小さいですから。
チューブを使えば肩と股関節を中心とした四肢を的確に鍛えられます。
>>>手軽なチューブを使った体幹トレーニングメニュー
最後に、実践的なトレーニングメニューから少し離れて、基礎的な知識を紹介します。少し小難しい話ですが、ご興味ある方はどうぞ。
体幹トレーニングとは、身体能力を向上させる実践的なトレーニング。ボディバランスを鍛えることで、スポーツの競技力、日常生活での体力を高めます。
体幹トレーニングの主な目的は筋肥大ではなく、運動神経との連携を高め、思い通りに体を動かすこと。いわば、筋肉の再教育です。
もう少し専門的に言えば、身体の各部位の位置と状態を把握し、神経と筋肉を協調させてバランスの維持、回復させる能力を鍛えるトレーニングとなります。
体幹の定義については曖昧な点もありますが、体幹とは全身から頭部と手、足を取り除いた「胴体」のこと。
体幹筋とは体幹(胴体)にある筋肉のこと。ですので、厳密には「体幹」=「体幹筋」ではありません。しかし、一般的には「体幹」=「体幹筋」という認識が広まっていますので、ここでも体幹トレーニングは主に体幹筋を鍛えるとトレーニングとして使います。
インナーマッスルも体幹と同じ意味で使われることが多いのですが、「インナーマッスル」=「体幹」=「体幹筋」ではありません。インナーマッスルの反対はアウターマッスル。体の内側にあり目には見えない筋肉がインナーマッスル。体の外側の筋肉がアウターマッスルです。
体の内側にある筋肉の総称が「インナーマッスル」ですので、体幹筋とイコールではありません。
体幹トレーニングは特別な器具や道具がなくてもトレーニングできます。しかし、トレーニングは地味で単調になりがちなので、バランスパッドやバランスボード、ボディバランスドームなどの助けを借りて行うといいでしょう。
体幹トレーニングは手足を伸ばした状態でエクササイズできるスペースがあれば十分です。自宅のリビングで、テレビを見ながらでもできるメニューはたくさんあります。
体幹トレーニングは本格的な競技スポーツに取り組むアスリートから、運動不足に悩む中高年の健康づくりまで、幅広い目的で活用できます。
年齢も幅広く、姿勢づくりがメインの成長期の子供から、筋力低下防止目的の高齢者まで、筋力のレベルに応じたエクササイズにアレンジできます。
無理に負荷を上げると逆効果になることを理解していれば、オーバーワークで怪我することがありません。
体幹トレーニングは、いろいろな姿勢や動作で、身体の重心、軸を意識することが基本のエクササイズです。トレーニングによって姿勢や動作の安定性が向上します。安定性が向上すると、再現性の高い反復性を獲得でき、スポーツのスキル向上につながります。
関節の可動性とは動きやすさのこと。例えば長時間、同じ姿勢でデスクワークすると股関節を屈曲(ももの上げ下げ)させる筋肉(腸腰筋など)が固まってしまいます。 体幹トレーニングによって、特に日常生活の中でそれほど使われない関節や筋肉に意識的に刺激を与えることで、関節の可動性が向上します。
関節の可動性が向上すると、ぎこちない動きが改善されます。
関節は簡単に外れてしまわないように、曲がりやすくて強い線維やじん帯で包まれています。しかし、運動中の強い力が加わると、関節が外れ脱臼することがあります。関節は動かなければ可動域が狭くなってしまいます。ストレッチや体幹トレーニングで関節の可動域を広げ、こうしたケガのリスクを減らすことができます。
動的柔軟性とは身体の動きのスムーズさのこと。欠けるとぎこちない動きになります。 一方の静的柔軟性は、いわゆる体の柔らかさのこと。体が柔らかい人が必ずしも動的柔軟性に優れているわけではありません。
体の動作は一つだけの筋肉の動きでは成立しません。単純な動作であっても、いくつかの筋肉と関節が連続的に動くことで成り立っています。
例えばボールを投げる動作。ボールを投げる力は足首からひざ、股関節が屈曲、伸展することで下半身の筋肉によって生まれます。この力を上半身に伝えるのが体幹の役割です。
動的柔軟性が向上すると、筋力がアップしても動きが鈍くなりません。また、 体つきが小さくても筋力を最大限に活用できるようになります。
静的なエクササイズ。一定の姿勢をキープするタイプのトレーニングです。体幹の安定性を高めることが目的。さまざまな方向からの負荷に対して、姿勢を維持する能力を鍛えます。「フォームを安定させる」「外部からの衝撃に耐える」場合に有効。
スタートポジションからゆっくり動作を繰り返すタイプのトレーニング。体幹に関わる筋肉の「出力」、パワーアップを狙います。「遠くまで投げる」「キック力をつける」といった場合に有効。
関節可動域を広げるために、反動や弾みをつけるタイプのトレーニング。筋肉を大きく伸び縮みさせて、ターゲットになる筋肉に負荷を掛けます。
二人組で行い、パートナーが抵抗を与えるタイプのトレーニング。
体幹トレーニングの各メニューでは、以下の姿勢と動作を組み合わせたものが基本になります。一つの姿勢を保持するものから、安定の悪い姿勢からの動作へと発展していきます。
仰向けの姿勢
仰向けの姿勢
「固める」という印象が強い体幹トレーニング。実際、プランクを行うとお腹が固まるような気になるのですが・・・体幹トレーニングは固めるだけではありません。
リセット(ほぐして)して、固めて、連動させることで、トレーニングの効果を最大に高めることができます。
まずは体幹をほぐし、柔軟性を復活させるところから始めましょう。
特に運動不足や悪い姿勢が続くと、緩んで弱くなる筋肉と、緊張して硬くなる筋肉があります。弱くなった筋肉を鍛えるより先に、硬くなった筋肉をほぐすことから始めます。
ストレッチで筋肉や関節を柔軟にし、血液の循環を良くすることで、トレーニングを行った時に筋肉全体に力が入りやすくなります。
また筋肉を柔らかくすることで、筋肉が付着している関節や軟骨への負担が減り、ケガの予防につながります。
「体幹トレーニング」が広まる前は「スタビライゼーション(安定)トレーニング」として知られていましたので、体幹=「安定させる」「固める」というイメージが強いのは当然です。
体幹を安定させるには深層筋(インナーマッスル)を鍛えることが重要です。なぜなら体幹の安定を求めるなら、筋肉の大きさに関係なく全ての筋肉を働かせるのが理想。日常生活では使われることの少ないインナーマッスルを強化します。
連動とは、筋肉と筋肉、筋肉と関節の連動のこと。下半身から上半身へ、あるいは上半身から下半身へ力を伝える時に、体幹を介します。体幹を上手く使えないと、効率的に力が伝わりません。
体幹を安定させて力を生み出し、その力を必要な場所へ伝えるために連動が必要です。 そしてこの連動が動作の巧みさ、力強さにつながります。
具体的には多関節を同時に動かすトレーニングを行います。多くの関節を同時に違う方向に動かすトレーニングが有効です。