子供の背筋がピンと伸びているか、普段子供の姿勢を気にしていますか?勉強しているときや食事をしている時に、姿勢はどうなっているでしょうか。
姿勢が悪いと見た目がよくないだけでなく、子供の成長や学力にまで影響が出ることがわかっています。
姿勢が良くないとなにがいけないのか、デメリットはたくさんあります。姿勢を良くするにはどうすればいいのか、その対処法などについてご紹介します。整骨院に行く前に是非お試しください。
子供は姿勢がいいかどうかなんて、自分では気にしていません。勉強しているときもテレビを見ているとき、だら~んと椅子に寄りかかっている方が楽ですし、自分から姿勢を正そうなんて気は起こりません。
子供が自分で姿勢の悪さに気づくことはまずないので、周りの大人がしっかり声かけをしていかなければ、その姿勢のまま大きくなってしまいます。
最近では、特にどこも悪くないのに頭痛やだるさに悩む大人が増えていますが、その原因のひとつに姿勢の悪さがあるといわれています。
今や大人だけでなく、子供でも朝起きられないとか頭痛などで勉強に集中できないという症状が出ていますが、その体調不良も姿勢の悪さから来ているのかもしれません。
また、姿勢の悪さが体調面だけでなく心の問題や学校の成績にまで影響するとしたら、何としても子供のうちに治してあげたいと思いませんか?
子供達の姿勢が悪くなる原因は主にこのようなことが考えられます。
暇さえあれば下を向いてスマホをいじっていたり、だらんとソファに寄りかかってゲームを長時間続けていませんか。ずっと下を向いていると首の筋肉に負担がかかりますが、それをカバーしようとして肩や背骨など他のところにさらに余計な負担がかかります。それで体全体に歪みが出てしまうのです。
ゲーム機などの普及や遊び場の減少で、積極的に外遊びをする子供も少なくなりました。身体を動かすのが学校の体育の時間しかない、という子供もいるでしょう。姿勢を良くするためには筋肉が必要ですが、運動不足による筋力の低下によって姿勢が悪くなっているのです。
昔は背筋を伸ばしていなければ、家庭でも学校でも厳しく叱られました。しかし今やそのようなことが減り、姿勢を正さなければいけないという機会自体が減っています。正しい姿勢を身につけるきっかけがないために、楽な姿勢を続け、姿勢がどんどん悪くなってしまうのです。
たかが姿勢が悪いだけでしょう?なんて放置をしてはいけません。
子供達の身体はまだまだ成長の途中にあり、今の時期に身体のバランスをしっかり整えておくことが丈夫な身体作りの基礎となるからです。
姿勢が悪いと骨格が歪み、その歪んだ骨格にさらに歪んだ状態で筋肉がついてしまうためにどんどん身体が歪んでいってしまいます。
子供の頃の姿勢の悪さはそのままクセとなり大人になっても治りにくいものです。小さいうちに大人が治してあげる必要があります。
姿勢が悪いと見た目にももちろんよくないですが、心配なのは健康面への影響です。
理由もなく体調が悪いと感じている子が増えていますが、それは姿勢の悪さが原因かもしれません。
普通子供は肩など凝りませんし、ましてや何か特別にスポーツでもしていない限り、腰痛なども起こりません。
小さいうちから大人と同じような症状が出てしまうのは、姿勢の悪さから肩周りや背骨周りの筋肉が緊張し、血行が悪くなって凝っていると考えられます。
姿勢が悪くて肩周りや首の筋肉が凝ってくると、それが頭痛やめまいの原因になることもあります。
風邪の症状もなく、病院に行ってもどこも悪くないのに頭痛やめまいに悩んでいる場合は、姿勢の悪さを疑った方がいいでしょう。
前かがみの猫背の姿勢のままでは深呼吸が出来ません。つまり、呼吸をする時に酸素をたっぷりと取り込むことが出来ないために呼吸が浅くなってしまうのです。
緊張や不安が続くと自律神経の交感神経が優位になって、常に身体が戦闘状態になってしまいますが、呼吸が浅くて酸素を取り込めていないということは、これと同じ状態でいるということです。
ですから、ちょっとしたことで怒りやすくなったりイライラしたりしているのは、猫背で肺がつぶれているために呼吸が浅くなっているからかもしれません。
呼吸で十分な酸素を取り入れることが出来ないと、身体の隅々まで酸素を取り込むことが出来ず、それが身体の動きにも影響してきます。
筋肉の収縮がうまく出来なかったり、リンパや血液の流れが悪くて老廃物がたまりやすくなったりして、疲れが抜けにくいのです。
良い姿勢は疲れると思われがちですが、実は違います。良い姿勢が板についてくるとその方が疲れないのです。
しかし悪い姿勢は身体のあらゆるところに余計な負担をかけるために疲れやすくなるとともに、頭痛やめまいなどの症状まで出てきますから、勉強に集中も出来なくなってしまいます。
その結果、じっくりと学習に取り込むことが出来ずに、成績が低下してしまうこともあるのです。
長時間椅子に座って勉強できない子やじっくり読書が出来ない子などは、「勉強しなさい!」と怒るのではなく、まずは姿勢を正すことからやっていかないといけないのです。
大人でもうつむいている人は自信が無さげに見えますよね。子供も同じです。
いつも猫背で姿勢が悪いとやる気がないように見られてしまい、姿勢の良い子と比べて先生や親から注意を受けることが多くなります。
そういった状況が続くと自分に自信が持てなくなり、自己肯定感が低くなる傾向にあるといわれています。
たしかに大人でも自己肯定感の低い人はうつむきがちで自信が無さげに話す人が多いことを考えると、何としても子供のうちに姿勢を良くして、しっかり前を向いていられる子になって欲しいと思います。
成長期に姿勢が悪い状態が続くと骨格の歪みにつながり、身長が伸びにくくなってしまいます。
成長期が終わってから姿勢を矯正しても身長は伸びませんので、子供のうちに治してあげたいですね。
大人でもそうですが、猫背になって食事をするととても苦しいです。食べ物がしっかり入っていきませんし、曲がった身体に内臓を圧迫されているので、胃腸の消化活動にも影響が出ます。
いつもお腹の調子が悪い、胃もたれがするなどの症状を抱えている子は姿勢の悪さが原因かもしれません。
鼻が詰まっていると口呼吸になるなんていわれますが、意外なところで姿勢が関係しているようです。
姿勢が悪いとかかとに体重がかかる「浮き指」になります。そうすると身体のバランスを取ろうとして前傾姿勢になるため、口を開ける筋肉(開口筋)が動きやすくなり、口がぽかーんと開いてしまうのです。
鼻も詰まっていないのにいつでも口が開いてしまっているような子は、姿勢の悪さを先に矯正した方が良さそうです。
姿勢の悪さが子供の成長に深い関わりがあるということは、様々な調査からわかってきています。
東京都足立区の養護教諭である小澤先生が児童の足型を測定したところ、実に81.7%の生徒が「浮き指(浮き足)」だということがわかったそうです。
平成2年にも同様の調査が行われているのですが、その時に浮き足だとされた子はわずかに16.3%だったそうです。
10年間で5倍もの数値になっているわけです。
なぜ浮き足になってしまったのか、それは子供達の姿勢の悪さが原因だと考えられています。姿勢よいと自然に全体中は足の裏にかかりますが、猫背だったり、片足にのみ体重にかけて立っているとそれが浮き足の原因になるのです。
浮き足になると真っ直ぐ立てなくなるので、余計に猫背になってしまうという悪循環です。
参考:真っ直ぐ立てない子供たち「まるでゴリラ」…足指に“異変”も
サレジオ高専の大東教授が2005年に発表した研究結果によると、良い姿勢が計算力を高めるということが数値で実証されています。
楽な姿勢と良い姿勢で計算問題を解いた結果の正解率を比べると、いずれも「良い姿勢」の方が高くなっていることがわかりました。
参考:良い姿勢 計算力高める
この「楽な姿勢」とはほとんどが「猫背」で、首や肩周りの筋肉が緊張するだけでなく、呼吸が浅くなったり血行が悪くなるなどの弊害があるために、計算結果に影響が出ているようです。
東京都が早稲田大学と共同で行った子供の姿勢の研究によると、姿勢の良い子と悪い子では、学習への意欲や積極性、自己肯定感などで差が見られたということです。
都内の小学校、中学校、高校の計33校を対象に行われた調査では、正しい姿勢がどのような教育的効果をもたらすのかが検証され、
など多岐にわたる項目が調査されましたが、全般的に姿勢の良い子の方がポイントが高いことがわかりました。
また、姿勢の良い子は平日に部活で身体を動かしている時間も長く、運動と姿勢の関係も裏付けられたといえるでしょう。
参考:子供の体幹を鍛える研究~正しい姿勢のもたらす教育的効果の検証~
普段の生活の中で、子供の姿勢矯正のために出来ることはたくさんあります。取り組みやすい方法から試すのがいいと思いますが、その前にまず確認しましょう。
親が24時間子供の姿勢をチェックすることは出来ません。子供自身にも姿勢の悪さを自覚してもらうために、立った姿勢を全身鏡で横から見せるなどして、まずは姿勢の悪さを自覚させましょう。
その上で、なぜ姿勢が悪いことがいけないのか、姿勢が良くなるとどんないいことがあるのかということをしっかり説明してあげることです。
子供も頭ごなしに怒られるより、姿勢が悪いことのデメリットと、姿勢を良くすることは自分のためにもなるんだということがわかれば、少しずつでも意識するようになるでしょう。
子供に姿勢を良くしなさいといっておいて、親が姿勢が悪かったら説得力がありません。
また、子供は目の前にいる人を無意識に真似するものです。子供の前にいるときは常に良い姿勢を心がけてみてください。背筋の伸びた親の姿を見ていれば子供も自然と真似をするようになります。
まず、姿勢の「矯正」を「強制」してしまうと、なかなか習慣として身につかないかもしれません。そこでおすすめしたいのが、「ながら」法です。
長時間連続してゲームやスマホを操作していると、ついつい夢中になって猫背になりがちです。ゲームは30分やったら10分休むなど、ルールを決めているご家庭は多いと思います。
お子さんと話し合って、時間プラス、「Zenフォームに座りながらする」というルールを追加してみましょう。
ゲームの他にテレビ、勉強の時間にも使えます。意識しなくても背筋が伸び、集中力がアップします。
この姿勢が特に辛いわけではありませんので、30-40分は美しい姿勢を保っていられます。
大人でも姿勢がよくなってダイエットにもいいと人気のある体幹トレーニングですが、もちろん子供にも効果があります。
体幹とは広い意味では「胴体」を指しますが、「体幹トレーニング」といった場合の「体幹」はお腹の深いところにある筋肉、インナーマッスルのことを指す場合が多いです。
子供でもこの体幹を鍛えることで、良い姿勢が保てるようになります。
今の子は運動不足で腹筋や背筋が弱っている子が多いです。背骨周りに筋肉をしっかり鍛えて、筋肉コルセットを作ることで姿勢が良くなり、腰痛なども予防できるのです。
しかし、アスリートと同じ体幹トレーニングをする必要はありません。子供向けには「バランス」をメインとしたトレーニングで、遊び感覚のエクササイズが有効です。
例えば「バランスボード」。乗ってバランスを取るだけでインナーマッスルが鍛えられます。
バランスボードがお子さんに難しそうなら、「バランスパッド」をどうぞ。この上に片足で立つだけでバランストレーニングになります。
バランスボードで物足りなさそうなら、「バランスボードPRO」にチャレンジしてみてください。
さらに、子供向けの体幹バランストレーニングプログラムはいかがでしょうか?1日10分くらい。合計6週間のプログラムです。体幹強化だけでなく、「コツコツやる習慣」も同時に身につくはずです。サッカーや野球、バレーボール等など、スポーツのパフォーマンス向上も期待できます。
例えば勉強机ですが、椅子の高さは身長と合っているでしょうか。毎年何センチも身長が伸びていく子供もいるので、身長と合っていない椅子に座っているとどうしても姿勢が悪くなります。
身長に応じて高さを変えられる椅子にしたり、座ると自然に姿勢矯正が出来る椅子なども売っています。
食事のときなども畳の部屋で正座をして食べている家は少ないでしょう。
ダイニングで食べるときも、大人と同じ椅子ではなく、姿勢矯正用の椅子を使えば、イヤでも背筋が伸びてきます。
勉強する時にどうしても前かがみになってしまうというような場合、姿勢矯正ベルトをつけるのもひとつの方法です。
自然と胸を張った姿勢になれるので、無理なく良い姿勢を保つことが出来ます。
ただし、1日中つけていると苦しくなってしまうこともあるので、勉強しているときやテレビを見ているときといったように、姿勢が悪くなりがちな時間帯だけつけるのでもいいでしょう。
足の裏をうまく使えないと正しい姿勢がとれません。本当は外遊びをする時にも裸足になるのが理想ですが、なかなか難しいと思います。
ですからせめて家の中にいるときは裸足になり、足の指でタオルを引き寄せるなどの練習をしてみてください。