ゴールデンエイジとは?子供の運動神経がググっと伸びる黄金の成長期

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ゴールデンエイジの過ごし方を間違うと、一生に一度の機会を無駄にしてしまうかもしれません。

子供の運動神経が著しく発達する時期を、ゴールデンエイジといいます。この時期の過ごし方が、子供の運動神経、能力に大きな影響を与えます。

どのような過ごし方をすればいいのでしょうか?
結論を言えば、この時期に色々な運動、スポーツをすることが大切なのですが・・・

「今はゴールデンエイジだから〇〇しろ」「いろいろなスポーツをしろ」と子供に言い聞かせても、全くピンとこないでしょう。

「好きなこと、面白いことに熱中し、すぐ飽きる」という子供の特性を利用して体を動かす方向に誘導しましょう。難しいことではありません。

「遊び」です!特に、鬼ごっこ、けんけんぱ缶蹴りなどの”昔遊び”のことを指します。

遊ぶことによって、身体を動かし、無意識のうちに運動神経を発達させます。しかし、外で遊ぶ習慣がなくなった今の子供には、親の積極的な関りが必要になります。

例えば、家の中で体を使った遊びができる環境を作るだけで、子供だけで工夫して遊ぶようになるでしょう。(廊下に置いたバランスストーンで遊ぶ子供。バランストーンとは、石の上をジャンプしながら小川を渡るイメージの遊具。)

以下でゴールデンエイジとは何か、その時期の特徴、親の関わり方などを紹介します。

一生に一度に機会を無駄にすることがないよう、役立ててください。

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1 ゴールデンエイジとは子供の運動能力が著しく発達する時期

ゴールデンエイジとは、子供の身体能力、運動能力が著しく発達する時期のことです。

具体的には5~12歳(年長~小学6年生)の期間。体の動かし方、動作、技術を短時間で覚えることができる、一生に一度だけの貴重な年代をゴールデンエイジと呼びます。

成長が早い時期の5歳と12歳では身体的違いが大きいので、ゴールデンエイジを「プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)」と「ゴールデンエイジ(10~12歳)」に分けて考えます。

1-1 プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)の特徴は「神経系の発達」

下図は「スキャモンの発育曲線」です。どの年代にどんな能力が発達するのかをグラフ化したものです。このグラフを見ると、子どもの神経は5-6歳まで急激に発達し、大人の80%にまで達していることが分かります。

12歳では神経系の発達はほぼ100%で大人と同じ。つまり、あなたの今の運動神経も10-12歳の時につくられたものです。
この時期にさまざまな動作を経験することで、脳が刺激され、運動神経も発達していきます。


(参照:白石豊他「どの子ものびる運動神経」かもがわ出版)

1-2 ゴールデンエイジ(10~12歳)の特徴は「即座の習得」

「即座の習得」とは見よう見まねですぐできてしまうこと。
ゴールデンエイジ期の子どもは、初めてチャレンジする動作でも、手本を見ただけでできてしまうことがあります。

大人は、動く前に動作を理性で理解し分析しようとします。
「足の位置は・・・」「ひじは・・・」「タイミングは・・・」。まず考えてから動きます。
これに対して子供は、パッと見た直感だけで動きのコツをつかみ、その動作を習得してしまいます。


(参照:宮下充正「子どものスポーツ医学」南江堂)

またこの時期に習得した動作(技術)は大人になっても落ちないという特徴があります。
例えばサッカーのリフティング。
サッカーボールを、手を使わずに、ポンポンと地面に落とさずにコントロールします。

お借りしたこの動画では、お父さんも上手ですよねー。
ゴールデンエイジにマスターしたこの技術は、サッカーをやめて十年以上たっても、ほぼ同じレベルで再現することができます。俗にいう、「カラダが覚えている」ということです。

カラダが覚えているといっても、厳密には、「脳が、ボールが足に当たる感触を覚えていて、ボールを落とさないように体(足)を動かしてボールをコントロールしている」となります。

小学生の時に盛んに体を動かし、色々なスポーツを経験させるといい。
ごく当たり前に思えるのですが、なぜ、スポーツ界で「ゴールデンエイジ」というワードが注目されるようになったのでしょうか?

2.ゴールデンエイジが注目されるようになった理由は「外遊び」の時間と質が変わったから

20年前までは、子供の外での遊びが、ゴールデンエイジ期に必要な運動そのものでした。遊びながら自然に身に付けてきたので、「ゴールデンエイジ期にこのような運動が必要です」と啓蒙する必要もありませんでした。

これは日本に限らず、先進国共通の現象で、スポーツ界の悩みでもあります。

【外で遊ぶ時間が減った】

まず、外で遊ぶ時間が大きく減りました。
シチズンホールディングスがまとめた調査によれば、子供が外で遊ぶ時間は35年で半減しているそうです。


(出典 http://www.citizen.co.jp/research/time/20160610/01.html)

現在と35年前で、同じ項目で調査しているわけではないので、どこまで正確な数字か判断できませんが、「35年で半減」は、40代の方なら何となく頷ける数字ではないでしょうか?

【外での遊び方が変わった】

筆者(48歳男性)の家の近所に小さい神社があります。
子供のころは、その神社で野球やサッカー、鬼ごっこで毎日のように遊びました。特に鬼ごっこは、高さ1メートル、幅30センチくらいの石垣の上を全力で走ったり、そこからジャンプして木に飛び乗ったりと、今からは考えられない遊び方でした。

木登りする少女

もちろん、今現在、同じような鬼ごっこをする子供を見かけることはありません。
それどころか、もし今の小学生が、石垣の上を走っているのを見かけたら、今の私は「危ない」と注意してやめさせるでしょう。

外で遊ぶにしても、社会全体として危険なことは避ける風潮が非常に強く、「運動」の代わりになるような遊びとはほど遠いのではないでしょうか?
今はその同じ神社で、子供が3人くらい集まって、ゲームしてます・・・

サッカー香川選手が子供の頃。

チームの練習がない日は家の前の公園で友達とのミニゲームに明け暮れたそうです。お母さんの「ごはんやで~」が終了の合図だったとか。この遊びが「最高の練習だった」とあるインタビューで答えていました。
(出典:日本経済新聞2011年2月25日のインタビュー記事より)

3.ゴールデンエイジ期は親が何気なく環境を整備することが大切

この時期を有意義に過ごすかどうかは、大人(親)の関わり方が重要です。
なぜなら、当の子供たちが自分で「ゴールデンエイジ」を意識することはないからです。大人(親)がいい方向へ導くような環境を作りましょう。

3-1 プレ・ゴールデンエイジは様々な運動をさせることが大切

運動神経の基礎は、神経系が著しく発達するこの時期につくられます。
早くから特定のスポーツでトップを目指すにしても、プレ・ゴールデンエイジ期に、様々なスポーツ、運動を体験させることが大切です。

なぜなら、一つの動作で一つの神経回路がつくられ、それが多面的、多層的な回路に発達するからです。
多面的、多層的な回路とは、幼稚園児の「ボール投げ」という動作でイメージできると思います。

「ボールを自分の真上に投げる」という一つの動作をしてみます。経験がなければ、最初は2-3メートル離れた所にボールが落ちてしまうでしょう。

さらに、「ボールを自分の真上に投げて、頭の上でキャッチする」。
もう少し複雑にして、「ボールを自分の真上に投げて、3回手をたたいて、頭の上でキャッチする」。

もっと難しくするなら、「ボールを自分の真上に投げて、3回手をたたいて、ジャンプして頭の上でキャッチする」。
このような動作が自然にできるようになれば、成長して一つのスポーツに特化した時に、専門的な技術を早く覚え、高いレベルに引き上げることができます。

プレ・ゴールデンエイジでは、運動の種類・量を増やし、運動の基本をしっかり身に付け、次にくるゴールデンエイジに備えましょう。

3-2 トップレベルを目指すならゴールデンエイジ期を逃してはいけない

ゴールデンエイジに特定のスポーツを経験しなければ、そのスポーツでトップレベルに到達できないということは、世界的な常識と言われています。

ゴールデンエイジになると、特定のスポーツの特性を理解し、意識的に取り組むようになります。憧れの選手やライバルが現れるのもこの時期です。ゴールデンエイジまでに、夢中になれるスポーツ、楽しくて仕方ないスポーツが見つからなければ、残念ながら手遅れです・・。

3-3 複数のスポーツを経験すると脳が活性化され体が思い通り動くようになる

しかし、ゴールデンエイジ期から特定のスポーツに専念すべきということではありません。
一つのスポーツに本格的に取り組みつつ、他のスポーツを体験する機会があれば積極的に利用しましょう。

例えば、サッカー少年のお姉ちゃんがバレーボールをしているのであれば、一緒にバレーボールを楽しみましょう。またチームの指導者はいい顔しないかもしれませんが、チームの練習を休んで、お父さんお母さんとスキーに出かけるのも大切な運動経験です。

可能であれば、取り組んでいるスポーツとは特徴の違うスポーツがおすすめです。
例えばサッカー選手が剣道を経験するとどうなるでしょうか?視野が限られ両手がふさがった状態で何ができるでしょうか?
卓球の選手がバレーボールを、バスケの選手が野球、、等など。

とはいえ、畑違いのスポーツを経験する機会はなかなかないかもしれません。その場合は、「遊び」を活用しましょう。

4.ゴールデンエイジに運動神経を伸ばす方法は昔遊び

「運動神経を伸ばす方法」と書きましたが、実は人間の体には「運動神経」という神経はありません。
ですから「うちの子は運動神経ないから・・・」という言葉遣いは間違いです。もともとありませんから。
では、運動神経とは何のことでしょうか?

運動神経とは、「コーディネーション能力」という言葉で説明できます。

例えば、筋力があって「懸垂がたくさんできる」。ジャンプ力があって「垂直跳びでクラスで一番高く跳べる」子どもでも、それだけでは、運動神経がいいとは言えません。
筋力もジャンプ力も、スポーツでは必要な能力ですが、それらが脳によって「コーディネート(協調)」されて「すばしっこい」「たくみ」な動作ができるようになると、「運動神経がいい」と周囲から言われるようになります。

4-1 昔の遊びには運動神経を向上させる要素がたくさん

昔遊びをしましょう。
ケンケンパ、ゴム跳び、鬼ごっこ、缶蹴り、凧揚げ、竹馬などなどの昔遊びには、運動神経を向上させる要素が詰まっています。
「ケンケンパ」「ゴム跳び」・・・バネのように跳ねる力、バランス力。空間認知力
「鬼ごっこ」「缶蹴り」「だるまさんがころんだ」・・・走力、リアクション。判断力。蹴る動作。ピタッと止まる姿勢制御、ストップ動作。
「めんこ」・・・投げる動作。肩の使い方。

「めんこ」がトレーニング!?と疑われました?
メンコを投げる動作によって、ボールを投げる時の肩の使い方を習得できるので、野球用品を販売するSSKから「トレーニングメンコ」という商品が販売されているくらいです。

【究極のバランストレーニング】

「綱渡り」を安全に楽しめるスラックライン。
キャンプやBBQなど大勢集まる場所で、盛り上がりましょう。

4-2 脳に刺激を与えるコーディネーショントレーニングが有効

詳しくは次の記事で紹介しますが、ゴールデンエイジ期のトレーニングは「コーディネーショントレーニング」が有効です。

なぜなら、コーディネーショントレーニングでは、複数の動きを同時に行うので、脳が刺激され活性化するからです。
コーディネーショントレーニングで、多彩な動きを経験し、体全体を器用に動かすためのベースとなる「たくみさ」「すばしっこさ」が身に付きます。

例えばサッカー選手が左右の足を器用に動かせる感覚が身に付くと、右足でも左足でも同じような正確さでボールを蹴れるようになり、大きなストロングポイントになるでしょう。
以下で具体的なコーディネーショントレーニングを紹介しています。場所もとらず、一人でも、簡単にできるものも多いので是非遊び感覚で取り組んでください。

まとめ

ゴールデンエイジは一生に一度。「運動神経の発達」という意味以外にも、親子で一緒に体を動かしたり、スポーツに熱中できるのも、この時期だけではないでしょうか?

是非、コーディネーショントレーニングに一緒に取り組んでみてください。

(更新日):2018年07月07日 (作成日):2018年05月30日
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